ローズセダム(ロディオラ・パキクラドス)の育て方と特徴:多肉植物界のバラが家で咲く
Blog

ローズセダム(ロディオラ・パキクラドス)の育て方と特徴:多肉植物界のバラが家で咲く

10/25/2025, 8:17:11 PM

ローズセダムの特徴・育て方・増やし方を徹底解説。バラのような見た目の多肉植物を初心者でも簡単に育てられます。

Table of Contents

ローズセダムはベンケイソウ科ロディオラ属の多肉植物で、バラのような見た目が特徴です。ヒマラヤ原産で耐寒性があり、日本では2020年頃から人気が出ています。日光を好み、乾かし気味の水やりと水はけの良い土を必要とします。葉挿しや茎挿し、株分けで簡単に増やすことができ、春と秋が最適な時期です。主なトラブルとして徒長、根腐れ、葉焼けがありますが、適切な管理で防ぐことができます。様々な品種があり、寄せ植えにも向いています。

Question

Answer

ローズセダムはどこが原産ですか?

ローズセダムはヒマラヤ山脈西部(パキスタン側)の高地が原産です。

ローズセダムの水やりはどれくらいの頻度で行うべきですか?

ローズセダムは土が完全に乾いてからたっぷり水を与える「乾かし気味」が基本で、春と秋は週1回、夏は控えめに、冬はほとんど不要です。

ローズセダムはどうやって増やすことができますか?

ローズセダムは葉挿し、茎挿し、株分けの3つの方法で簡単に増やすことができ、春と秋が最適な時期です。

ローズセダムの主な育てる上での注意点は何ですか?

ローズセダムは日光不足で徒長しやすく、過湿で根腐れを起こしやすいため、十分な日照と適切な水やり管理が重要です。

ローズセダムとは?多肉植物界のバラの基本情報

基本情報と分類

ローズセダムはベンケイソウ科ロディオラ属に分類される多肉植物です。学名は「Rhodiola pachyclada」で、旧属名ではセダム属として知られていました。別名として「パキクラドス」「バライワレンゲ(薔薇岩蓮華)」などが存在します。

原産地と歴史

ヒマラヤ山脈西部(パキスタン側)の高地が原産です。寒冷な気候に適応した耐寒性が特徴で、日本では2020年頃から園芸店や直売所で流通し始めました。近年はSNSや動画プラットフォームで注目が集まっています。

外観の特徴

  • 葉の形状:肉厚で丸みを帯びた葉がロゼット状に密集し、バラの花弁のように重なります
  • 色合い:ピンク・緑・赤みがかった色調で、日光に当たると色が鮮やかに変化します
  • サイズ:成長しても直径10cm程度のコンパクトな品種が多い
  • 開花時期:春から初夏にかけて星形の黄色い小花を咲かせます

別名と流通名

名称

特徴

ローズセダム

流通名で最も一般的

ロディオラ・パキクラドス

学名の呼称

バライワレンゲ

葉の形状から

パキクラドス

種小名の略称

名前の由来

「ローズ」はバラのような見た目、「セダム」は多肉植物のセダム属に由来します。日本では「多肉植物界のバラ」とも称され、その可愛らしい外観から「女王」と呼ばれることもあります。

ローズセダムの育て方:日光・水やり・用土のコツ

日照と置き場所

ローズセダムは日光を好む植物です。春と秋は直射日光が6時間以上当たる場所で育てましょう。南向きのベランガや日当たりの良い窓際が最適です。

夏場は強い日差しが葉焼けの原因になるため、30%程度の遮光ネットをかけるか、明るい日陰に移動させてください。特に真夏の西日は避けましょう。

冬は耐寒性がありますが、氷点下になる地域では室内に取り込むか、不織布で保護してください。5℃以上を維持するのが望ましいです。

季節別日照管理表

季節

日照条件

注意点

春・秋

直射日光6時間以上

南向きの窓際や屋外が最適

明るい日陰または30%遮光

真夏の西日は避ける

可能な限り日光に

氷点下は室内へ

水やりのコツ

ローズセダムの水やりは「乾かし気味」が基本です。土が完全に乾いてからたっぷり水を与えましょう。

春と秋は週に1回程度が目安です。夏は生育が鈍るため、水やりは控えめに(週に1回の少量)で十分です。

冬はほとんど必要ありません。月に1回程度、土が乾きすぎない程度に軽く湿らせるだけに留めてください。

水やり頻度まとめ

  • 春・秋:週1回(土完全乾燥後たっぷり)
  • 夏:週1回(少量ずつ)
  • 冬:月1回(軽く湿らせる程度)

適切な用土

ローズセダムは水はけの良い土を好みます。市販の多肉植物用土が最も手軽で確実です。

自作する場合は、赤玉土(小粒)6割、腐葉土2割、川砂またはパーライト2割の配合がおすすめです。鹿沼土を使う場合は3割混ぜると水はけが向上します。

根詰まり防止のため、土の表面に軽石や鹿沼土を2cm程度敷くと効果的です。

鉢の選び方

ローズセダムは浅めの鉢が最適です。深すぎる鉢は水はけが悪くなり、根腐れの原因になります。

鉢底から水がしっかり流れるよう、鉢底穴は必ず確認してください。穴がない場合はドリルで開けましょう。

陶器鉢は通気性が良くおすすめですが、乾きが早いので水やり頻度に注意が必要です。プラスチック鉢は保水性が高いです。

肥料の与え方

ローズセダムは肥料を多く必要としません。春(3~5月)と秋(9~10月)に月に1回、薄めた液体肥料を与える程度で十分です。

夏と冬は生育が停滞する時期のため、肥料は与えないでください。肥料を与えると徒長や根腐れの原因になります。

有機肥料を与える場合は、鶏糞や油かすを土の表面にまんべんなく散布し、軽く混ぜ込んでから水を与えましょう。

ローズセダムを簡単に増やす方法:葉挿し・挿し木・株分け

葉挿し(リーフカット)

ローズセダムは葉挿しで簡単に増やせます。元気な葉を選び、下の方からそっともぎ取ってください。

  • 健康な葉を選び、傷がないか確認
  • 2~3日風通しの良い日陰で切り口を乾燥(カサブタが形成されるまで)
  • 湿らせた多肉用土の上に葉を置き、軽く押し付ける
  • 直射日光を避け、土が乾かない程度に水やり

発根まで2~4週間かかります。葉がしおれている場合は成功率が低いので、元気な葉を選びましょう。

挿し木(茎挿し)

徒長した茎を活用して新しい株を作ることができます。

  • 徒長部分をハサミでカット(5cm程度の節を含む)
  • 切り口を1~2日乾燥させる
  • 挿し木用土または多肉用土に挿す
  • 発根するまで明るい日陰で管理(2~3週間)

発根したら徐々に日光に慣らしていきましょう。挿し木からは元の品種がそのまま増えます。

株分け

自然に分かれた子株を活用する方法です。即効性が高いのが特徴です。

  • 春または秋に親株を鉢から取り出す
  • 根元から自然に分かれている子株を分離
  • 分離した株1つずつを新しい鉢に植え替える
  • 植え替え後は水やりを控えめに(1週間程度)

子株が小さい場合は、数株まとめて育てても良いです。

増やし方比較表

方法

適した時期

所要時間

難易度

特徴

葉挿し

春~秋

2~4週間

★☆☆

最も簡単。葉1枚から増やせる

挿し木

春~秋

2~3週間

★★☆

徒長した茎を活用できる

株分け

春~秋

即効

★☆☆

自然発生の子株を活用

発根後の管理

  • 水やり:発根後も水やりは控えめに。土が完全に乾いてから与える
  • 肥料:発根後1ヶ月は不要。その後は薄めた液体肥料を月1回程度
  • 鉢替え:根が張ってきたら小さめの鉢に移動

増やす時期のポイント

ローズセダムの繁殖は春(3~5月)秋(9~10月)が最適です。この時期は気温が20℃前後と穏やかで、根の成長が活発になります。真夏と冬は生育が停滞するため避けましょう。

ローズセダムのトラブル対策:徒長・根腐れ・葉焼け

徒長(間延び)の原因と改善方法

徒長は主に日光不足水やりの頻度が原因で起こります。茎が細長くなり、葉が開いてしまうため、見た目が雑乱になります。

  • 改善策
    • 直射日光が6時間以上当たる場所へ移動
    • 水やりを減らし、土が完全に乾いてから与える
    • 徒長部分を「チョンパ」(切り戻し)して挿し木に
  • 注意点:切り戻し後は挿し木にすることで新しい株を作りましょう

根腐れの発生条件と対処法

過湿と水はけの悪い土が原因で根が腐る現象です。葉が黄変したり、茎が柔らかくなる兆候が現れます。

  • 対処法
    • すぐに鉢から取り出し、根を丁寧に洗浄
    • 腐った根をハサミでカットし、切り口を乾燥させる
    • 新しい土と鉢に植え替え、水やりは控える
  • 再発防止:赤玉土とパーライトを混ぜた水はけの良い土を使用

葉焼けの症状と対策

真夏の直射日光が葉に当たることで発生します。葉の一部が茶色く変色し、枯れて見える状態です。

  • 対策
    • 30%程度の遮光ネットを使用
    • 明るい日陰に移動
    • 徐々に日光に慣らす(3日ごとに日光時間増加)
  • 緊急処置:葉焼けした部分はそのまま残しても大丈夫ですが、重症場合は切り取りましょう

トラブル発生の原因と管理表

トラブル

主な原因

対処法

予防策

徒長

日光不足、過剰水やり

日光を増やし、茎を切り戻し

乾かし気味の管理

根腐れ

過湿、排水不良

土と鉢を変更し、切り口を乾燥

多肉用土の使用

葉焼け

夏季の直射日光

遮光ネットで保護

徐々に日光に慣らす

異常時の観察ポイント

  • 徒長:茎が伸びて葉が離れ、ルーペで見ると節間が長くなる
  • 根腐れ:触ると茎が柔らかく、根が黒く変色
  • 葉焼け:葉の先端や表面が茶色く変色する

緊急対応の手順

  • 異常を確認し、原因を特定
  • 必要に応じて植物を一旦鉢から出す
  • 対処法に従って処置を実施
  • 3日間は様子を見ながら管理
  • 異常が改善したら通常の管理に戻る

予防できる管理習慣

トラブルを防ぐための日頃の管理ポイントをまとめます。

  • 水やりは「乾かし気味」の原則を徹底
  • 土の状態を定期的にチェック(乾き具合を触って確認)
  • 春と秋に肥料を与えない
  • 通気性の良い場所で育てる

ローズセダムの品種とおすすめの寄せ植えアイデア

主な品種比較

品種名

特徴

色合い

育てやすさ

ロディオラ・パキクラドス

原種に近い、密集したロゼット

ピンク・赤みがかった緑

★★★☆

パキフィクラドス

葉が細長く成長が早い

緑が強い

★★★★

スプリングワンダー

徒長しやすいが仕立て直し可能

鮮やかなピンク

★★☆☆

ピンクローズ

葉縁がピンクに染まる

光で色変化

★★★☆

寄せ植えのコツ

  • 水やり合わせ:同じ水やりの頻度の多肉植物を選ぶ
  • 高さバランス:背の高いものを中央、低いものを縁に配置
  • 色合わせ:ローズセダムのピンクをアクセントに使う
  • 用土統一:全て多肉植物用土で育てる

おすすめ寄せ植えパターン

1. バラ園風寄せ植え

  • ローズセダム(ピンク)を中心に配置
  • エケベリア(紫)を周囲に配置
  • セダム(緑)で隙間を埋める

2. ミニチュアガーデン

  • ローズセダム(ピンク)をメイン
  • ハオルチアを縁に配置
  • クラッスラで緑のアクセントを追加

3. モノトーン寄せ植え

  • ローズセダム(緑系)を中心
  • 黒王丸(黒)でコントラストを強調
  • セネシオ(銀)で質感を加える

季節別寄せ植え提案

季節

テーマ

組み合わせ

新生

ローズセダム+白牡丹+セダム・ルビネアム

涼感

ローズセダム+アガベ+ツルニチニチソウ

彩り

ローズセダム+パキフィクラドス+セネシオ・ロウリア

暖色

ローズセダム+クリスマスキャクタス+セダム・モルスマン

鉢選びのポイント

  • 浅めの鉢を基本に(水はけの良さが重要)
  • 排水孔は必ず2ヶ所以上
  • 寄せ植え用の長鉢もおすすめ
  • 陶器鉢は通気性が良いが重め、プラスチックは軽い

メンテナンス方法

  • 水やりは全体の土が乾いてから
  • 生育期に月1回液体肥料を薄めて与える
  • 冬は室内に取り込む(特に北海道・東北)
  • 徒長した株は早めの仕立て直しを