多肉植物の葉挿しと成長速度|成功のコツと種類別ガイド
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多肉植物の葉挿しと成長速度|成功のコツと種類別ガイド

9/4/2025, 12:00:10 AM

多肉植物の葉挿し方法と成長速度を徹底解説。種類別の成長目安から促進するコツまで、初心者でも簡単にできる繁殖テクニックを紹介します。

Table of Contents

多肉植物の葉挿しは親株から取った葉から新しい個体を育てる繁殖方法です。

エケベリアやセダムなど多くの種類で可能で、コストがかからず初心者にも向いています。

土挿し、水挿し、乾燥挿しの3つの方法があり、発根まで2〜12週間かかります。

適切な光量、水やり、温度管理で成功率が上がり、成長を早めることができます。

Question

Answer

葉挿しで失敗しやすい原因は何ですか

水の与えすぎや光不足、不適切な土、温度管理の失敗が主な原因です

根が出ないときはどうすればいいですか

切り口を再度乾燥させたり、方法を変えたり、温かい場所に移動させると改善します

葉挿しと茎挿しではどちらが成長が早いですか

茎挿しの方が発根が早く成長も早いですが、葉挿しは数を増やしやすいです

親株と同じ形や色になりますか

遺伝的に同じ個体なので基本的に親株と同じになりますが環境で多少変化することもあります

多肉植物の葉挿しとは?基本知識とメリット

葉挿し(はざし)は多肉植物の繁殖方法のひとつで、親株から取った健康な葉から新しい個体を育てる技術だ

葉挿しの基本メカニズム

多肉植物の葉には生長点があり、適切な環境下で根や芽を発生させる能力を持っている

切り口から発根ホルモンが分泌され、新しい生命が誕生する

葉挿しが可能な主な多肉植物

  • エケベリア
  • セダム(マンネングサ)
  • クラッスラ
  • グラプトペタルム
  • パキフィツム

葉挿しの3つの大きなメリット

メリット

詳細

コストゼロ

親株から葉を取るだけなので費用がかからない

初心者向き

成功率が高く、初めてでも挑戦しやすい

大量増殖

1枚の葉から複数の子株ができる場合もある

葉挿しの成功率を高めるポイント

  • 健康で傷のない葉を選ぶ
  • 葉の根元をきれいにはがす
  • 切り口をしっかり乾燥させる
  • 発根までは水やりを控える

葉挿しは遺伝的に親株と同じ個体が育つため、お気に入りの品種を確実に増やせる利点がある

葉挿しの正しい手順と3つの方法

準備するもの

  • 健康な多肉植物の葉(傷や病気がないもの)
  • 清潔なハサミまたはピンセット
  • 多肉植物用の土(水はけの良いもの)
  • 浅めの容器やトレイ
  • スプレーボトル

葉の採取方法

親株から葉を優しく左右に揺らしながら取り外す

無理に引っ張ると葉が破れるので注意が必要

採取後は切り口を1〜3日間風通しの良い場所で乾燥させる

3つの葉挿し方法

方法

手順

メリット

デメリット

土挿し

乾燥させた葉を土の上に置き軽く押さえる

根が早く出ることが多い

過湿で腐るリスクがある

水挿し

葉の切り口を水に浸けて発根を待つ

根の成長が観察しやすい

水交換が必要で腐りやすい

乾燥挿し

数日間乾燥させた後土に置く

腐りにくい

発根まで時間がかかる

発根までのケアポイント

  • 明るい間接光の場所に置く(直射日光は避ける)
  • 土挿しの場合は2〜3週間は水を与えない
  • 根が出始めたら土が乾いてから軽く湿らせる
  • 適温は20〜25℃を保つ

根が出るまでには種類によって1〜8週間かかるので焦らず待つのがコツ

種類別・方法別の成長速度比較

種類別の年間成長速度

多肉植物の種類

成長速度

葉挿し発根までの目安

特徴

エケベリア

遅め(年1〜3cm)

2〜8週間

花が咲くまで数年かかる

セダム

早め(年5〜10cm)

1〜3週間

群生しやすく成長が早い

クラッスラ

中程度(年3〜5cm)

3〜6週間

葉挿しに適し比較的簡単

カランコエ

早め(年5〜15cm)

2〜4週間

花が咲きやすい品種が多い

ハオルチア

非常に遅い(年1cm未満)

4〜12週間

発根まで時間がかかる

繁殖方法別の成長比較

方法

発根までの時間

成長速度

注意点

土挿し

2〜8週間

中程度

最も一般的な方法

水挿し

1〜4週間

早め

腐りやすいので注意

乾燥挿し

4〜12週間

遅め

腐りにくいが時間がかかる

成長に影響する要因

  • 光量:十分な間接光が必要(直射日光は葉焼けの原因)
  • 水やり:過湿は根腐れにつながる
  • 温度:20〜25℃が最適(10℃以下や30℃以上は成長遅延)
  • 土質:排水性の高い土を使用する
  • 肥料:成長期に薄めた液肥を与える
  • 季節:春〜秋が成長期、冬は休眠期

成長速度は環境条件によって大きく変わるため、同じ種類でも育て方次第で差が出る

成長を早める7つのコツと管理方法

1. 適切な光量の確保

  • 明るい間接光を1日6〜8時間確保する
  • 東向きまたは西向きの窓辺が最適
  • 直射日光は避け、特に夏場は葉焼けに注意
  • LEDライトで補光するのも効果的

2. 水やりの最適化

  • 土が完全に乾いてから水を与える(2〜4週間に1回程度)
  • 葉挿し直後の水やりは絶対に避ける
  • 底面給水で根腐れを防止する
  • スプレーで軽く湿らせる程度がベスト

3. 土と鉢の選び方

  • 排水性の高い多肉植物用土を使用
  • パーライトや軽石を混ぜて通気性アップ
  • 浅めの鉢を選び深すぎないようにする
  • テラコッタ鉢がおすすめ(通気性が良い)

4. 肥料の与え方

  • 春〜秋の成長期に薄めた液肥を月1回与える
  • 冬は休眠期なので肥料を与えない
  • 有機肥料より化成肥料の方が吸収されやすい
  • 規定濃度の半分程度に薄めて使用

5. 温度と湿度の管理

  • 最適温度は20〜25℃を維持する
  • 湿度が高い場合は扇風機で風通しを良くする
  • 冬場は10℃以上を保つようにする
  • エアコンやヒーターで温度調整

6. 定期的な植え替え

  • 根が鉢いっぱいになったら植え替える(1〜2年に1回)
  • 古い土を新しい土に入れ替える
  • 植え替え時に傷んだ根はカットする
  • 栄養補給と排水性改善が目的

7. ストレスの軽減

  • 頻繁な移動は避けて環境変化を最小限に
  • カイガラムシやアブラムシの早期発見・対処
  • 病気の葉はすぐに取り除く
  • 環境を急に変えず徐々に慣らす

これらのコツを実践すれば、葉挿し多肉植物の成長速度を確実に向上させられる

よくある質問とトラブルシューティング

Q1. 葉挿しで失敗しやすい原因は?

  • 過湿:水の与えすぎで葉が腐る
  • 光不足:間接光が足りず徒長する
  • 不適切な土:排水性が悪く根腐れを起こす
  • 温度管理不足:低温や高温で発根が遅れる

Q2. 根が出ない場合の対処法

  • 切り口を再度1〜2日間乾燥させてからやり直す
  • 土挿しから水挿しに方法を変えてみる
  • 25℃程度の温かい場所に移動させる
  • 発根促進剤を使用してみる

Q3. 葉挿しと茎挿しどちらが成長が早い?

茎挿しの方が圧倒的に成長が早い

  • 葉挿し:発根まで2〜12週間
  • 茎挿し:発根まで1〜4週間
  • 葉挿しは数を増やしやすいが時間がかかる

Q4. 親株と同じ形・色になる?

遺伝的に同じ個体なので基本的に親株と同じになる

ただし環境条件によって色合いや成長の仕方が変わることもある

Q5. 成長が遅いときの救済方法

  • LEDライトで光量を増やす
  • 春〜秋に希釈した液肥を与える
  • 20〜25℃の適温を維持する
  • 排水性の高い新しい土に植え替える
  • 腐った根はカットして健康な部分だけ残す

主なトラブルと解決策

トラブル

原因

解決策

葉が腐る

過湿・通気不良

水やりを控え風通しを良くする

徒長する

光量不足

明るい場所に移動または補光する

発根しない

温度不足・方法不適

温かい場所へ移動・方法変更

色が悪い

光・栄養不足

光量増加・適切な肥料を与える

これらの対策を試しても改善しない場合は、別の葉で再度挑戦してみるのがおすすめ