多肉植物の植え替え・秋編:成功させるための完全ガイド
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多肉植物の植え替え・秋編:成功させるための完全ガイド

8/16/2025, 5:07:10 AM

秋の多肉植物の植え替え時期、手順、土や鉢の選び方を解説。健康的に育てるコツをおさらい。

Table of Contents

秋は多肉植物を植え替えるのに最適な季節です。気温や湿度がほどほどで、根が回復しやすく、冬に向けて準備もできます。植え替えの必要性は、根の状態や土の悪化、害虫の有無などで判断します。手順としては、鉢選び・土の準備・根のチェック・新しい鉢への植え付けが基本。植え替え後は水やりや日当たりを慎重に管理し、失敗を避けることが重要です。

Question

Answer

秋に多肉植物を植え替えるメリットは何ですか?

気温や湿度が適度で、根が回復しやすく、冬の準備にもなります。

植え替えが必要かどうかはどうやって判断しますか?

鉢から根が出ている、土が固まっている、害虫がいるなどのサインを見ます。

植え替え後の水やりはどうすればいいですか?

最初の3〜5日は水を控え、その後も土が乾いてから少量ずつ与えます。

多肉植物に合う土の選び方は?

水はけの良い土に、パーライトや軽石を混ぜるのがおすすめです。

植え替えでよくある失敗は何ですか?

直射日光に当てたり、すぐに水をやったり、鉢を大きめに取りすぎたりすることです。

秋に多肉植物を植え替えるべき理由

秋は多肉植物にとって、植え替えを行うのにぴったりの季節です。理由はいくつかあります。

気温と湿度が適度

秋の気温(15~25℃)は多肉植物にとって最適で、極端な暑さや寒さがなく、根の回復を助けます。また、湿度もほどほどで、夏のような雨の日が続くことも少ないので、根腐れの心配も減ります。

冬の休眠前に根を強くできる

多くの多肉植物は冬に向かうと成長が slow down します。秋に植え替えをすれば、その前に新しい土で根を広げることができ、冬の間も元気に過ごしやすくなります。特に、エケベリアやハウォルシアなどはこの時期の植え替えが効果的です。

夏のストレスを避けられる

夏は直射日光や高温が続くため、植え替えには向いていません。秋なら日差しが柔らかくなり、夜も涼しくなるため、植物への負担が少なくなります。8月末から9月にかけてが、多くの地域でベストタイミングです。

冬の準備にもつながる

秋の植え替えでは、古い土を取り替えて水はけの良い新しい土を使用できます。冬場は水の蒸発が少ないので、水はけの悪い土では根腐れしやすくなります。また、害虫やカビのリスクも減らせます。

  • 気温が安定している
  • 湿度がほどほどで雨も少ない
  • 冬の休眠前に根が回復できる
  • 夏ほどの日焼けやストレスがない
  • 古い土を交換して病気の予防になる

植え替えが必要なサインを見極めるポイント

秋になっても多肉植物が元気なら、すぐに植え替えなくても大丈夫です。でも、いくつかのサインがあるときは、そろそろ新しい土と鉢の準備をしてもいいかもしれません。

根が鉢いっぱいになっている

鉢の底から根が出ている、土の表面に根が見える、鉢の中でぐらぐらしないけど水を吸い上げるのが早くなった…そんなときは、すでに根がいっぱいになってるサインです。これ以上成長するには、もっと広いスペースが必要です。

成長が止まっている、茎が細長くなっている

新しい葉が出てこない、葉の間隔が広がって茎っぽくなっているときは、光が足りないか、栄養分が足りないサイン。どちらにせよ、今の鉢では限界があるってこと。詳しくは「多肉植物が間延びした時の原因と簡単な解決法」をチェック。

土が悪い状態になっている

土がカチカチ、水を吸わなくなった、黒ずんでカビが生えている…こんなときは、土そのものがダメになってます。害虫や病気が発生しやすくなるので、早めに植え替えましょう。

害虫や病気の兆候がある

ハダニ、アザミウマ、カイガラバエ、ヨウトウムシなど、害虫が見つかったときは、土ごと変えるのが一番確実。また、根が黒くなって腐っている、葉に黒い斑点があるなど病気のサインも、植え替えと同時に治療が必要です。

購入直後で市販の土を使っている

店で買ったばかりの多肉植物は、安くて水はけの悪い土に入っていることが多いです。1〜2週間以内に植え替えするのがおすすめ。詳しい手順は「多肉植物の植え替えと土選び:完全ガイド」に書いてあります。

  • 鉢の底から根が出てきた
  • 葉が広がって茎が伸びてきた
  • 土が固まっている、カビている
  • 虫や病気が見つかった
  • 最近買ってきてまだ植え替えていない

秋の植え替え手順をしっかり確認

秋の植え替えは、手順をしっかり守ることで成功率がグッと上がります。必要な道具と材料を揃えて、丁寧に作業しましょう。

準備するもの

以下のものを用意しておきましょう。すべてそろってから作業に入るのがおすすめです。

  • 新しい鉢(排水穴付き)
  • 多肉植物用の水はけの良い土
  • 手袋(棘がある種の場合)
  • はさみ・ピンセット
  • 新聞紙やトレイ(作業場を汚さないため)

1. 適した時間帯を選ぶ

午前中か夕方以降がベスト。真ん中の暑い時間は避けましょう。天気予報で、3〜5日間雨が降らない日を選ぶと安心です。また、花が咲いている場合は終わってからにします。

2. 多肉植物を古い鉢から出す

まず鉢の横を軽く押して、土と根をほぐします。鉢を傾けて底をトントン叩くと、植物が抜けてきやすくなります。引っ張って出すのはやめましょう。どうしても出ないときは、ナイフなどで鉢の内側に沿って一周切るようなイメージで土を切ります。

3. 根をチェックして整える

古い土を手で軽く落とし、根をよく見ます。黒くなったり柔らかくなったりしている部分は、消毒したはさみで切って捨てます。絡まった根は指やピンセットでほぐして、新しい土で広がりやすくしておきましょう。

4. 新しい鉢の準備

新しい鉢は、今の鉢より1〜2センチ大きめが目安。大きすぎると水はけが悪くなりやすいので注意。鉢底には粗い砂利や破片を入れて排水層を作りましょう。土は鉢の1/3ほど入れ、少しふくらんだ形にしておくと、根が上に乗せやすくなります。

5. 植物を新しい鉢に入れる

根を広げながら新しい鉢にセット。茎の付け根が土に触れないようにします。土を少しずつ加えながら、全体をしっかり支えるようにします。表面は軽く押さえますが、固めすぎないのがポイント。

6. 植え替え後の管理

最初の1週間は直射日光を避けて、明るい日陰に置きます。水は3〜5日間は我慢して、根が傷ついた部分を癒着させる時間を与えましょう。その後も土が完全に乾いてから水やりをするようにします。

ステップ

ポイント

1. 時間を選ぶ

朝晩、雨の予報がなければOK

2. 鉢から出す

引っ張らずに、優しく抜く

3. 根を整える

腐った部分を切り落とす

4. 新しい鉢

1〜2センチ大きめ、排水穴必須

5. 植える

茎の付け根は土に触れないように

6. 後始末

3〜5日は水を控え、日陰で管理

適した土と鉢の選び方

秋の植え替えで重要なのは、多肉植物に合った土と鉢を選ぶことです。選べないと、せっかくの作業が台無しになることもあります。

多肉植物に合う土の条件

多肉植物は水はけが命。水を吸いすぎると根が腐るため、水を通しやすい土が必須です。基本は「水はけ抜群 + 空気も通る」です。

  • 多肉植物専用の市販土(ベース)
  • パーライトや軽石(水はけ・通気性を上げる)
  • 粗めの砂(土の固まりを防ぐ)
  • 木炭(消臭・殺菌効果、オプション)

日本では「赤玉土」もよく使われます。園芸用の赤玉土(小粒)をベースに、パーライトや軽石を混ぜるのが定番です。

おすすめの土の配合

自分で配合する場合、こんな割合が目安です。

材料

割合

役割

多肉植物用土 or 赤玉土

50%

栄養と保水のバランス

パーライト or 軽石

30%

水はけと通気性アップ

粗めの砂(2〜4mm)

20%

土の固まり防止

木炭(オプション)

少々

消臭・殺菌効果

市販の土でも「多肉植物・サボテン用」と書かれたものを使えば、基本はOK。ただし、配合によっては水はけが悪いため、必ず水はけ材を追加しましょう。

鉢の選び方

鉢選びも大事。素材やサイズによって、水はけや成長に大きく影響します。

素材

メリット

デメリット

向いている種類

素焼き(テラコッタ)

通気性が良く、余分な水分を吸収

重くて割れやすい

アロエなど乾燥好きな種

セラミック(釉薬)

見た目がおしゃれ、丈夫

通気性が悪い

屋内向け多肉

プラスチック

軽くて安くて扱いやすい

水はけが悪く、根腐れしやすい

一時的な使用や小鉢

布鉢(ファブリック)

空気の通りが良い、根の回り込み防止

すぐに乾くので頻繁な水やりが必要

湿気の多い地域や育成用

鉢のサイズ選びのコツ

鉢の大きさも大事です。大きすぎると水を吸いすぎて根腐れしやすくなります。

  • 今の鉢より1〜2cm大きめを選ぶ
  • 浅めの鉢が合う種(ロゼット型):エケベリア、セダムなど
  • 深めの鉢が合う種:アロエ、スネークプラントなど

鉢底には必ず排水穴があるものを選びましょう。穴がないものは多肉には不向きです。

植え替え後の秋の管理とよくある失敗

秋の植え替えが終わっても、その後の管理が甘いと元の木に返ってしまいます。特に最初の1〜2週間が重要です。

植え替え後の水やり

植え替えた直後は、根に傷があるため、3〜5日は水をやらないのが鉄則。その後も、土が完全に乾いてから少量ずつ与えるようにしましょう。秋は蒸発も少ないため、夏ほど頻繁に水やりをする必要はありません。

  • 最初の3〜5日は水をやらない
  • 土の表面が乾いてから水やり
  • 底から水を吸わせる「底水」もおすすめ

詳しい頻度は「多肉植物 水やり 頻度 初心者」にまとめています。

日当たりと温度の管理

植え替え直後は直射日光を避けて、明るい日陰に置きましょう。1〜2週間後に徐々に日向に出すと、日焼けを防げます。夜の気温が10℃を下回るようなら、屋内に移動させた方が安心です。

肥料は控える

根が安定するまでは肥料はNG。植え替え後4〜6週間は我慢し、冬が終わって春にかけて一度だけ薄めの肥料を与える程度でOKです。

よくある失敗

植え替え後によくあるミスを避けることで、成功率がアップします。

失敗

原因

対策

すぐに水やりをする

根の傷が癒着する前に水が当たる

3〜5日は水を控える

直射日光に当ててしまう

葉が焼けて傷む

最初は日陰で管理

鉢が大きすぎる

余分な土が湿ったままになる

今の鉢より1〜2cm大きめを選ぶ

排水の悪い土を使う

根腐れの原因になる

水はけの良い土に変える

傷んだ根を放置する

病気が広がる

植え替え時にしっかり見極めて切除

ストレスのサインを見逃さない

植え替え後に葉が黄色くなる、しわになる、黒くなるなどのサインがあれば、早めに対応しましょう。

  • 黄色い葉=水はけが悪い、または水やりしすぎ
  • しわっぽい葉=水不足、または根が弱っている
  • 黒い斑点=カビや病気の可能性あり

様子を見ながら、置き場所や水やりを見直すと、回復しやすくなります。