多肉植物の徒長とは?原因から仕立て直し方法まで完全ガイド
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多肉植物の徒長とは?原因から仕立て直し方法まで完全ガイド

9/16/2025, 2:20:07 AM

多肉植物の徒長の原因と解決法を解説。光不足や水やり過多が原因でひょろ長く伸びてしまった多肉植物を、切り戻しや仕立て直しで復活させる方法を紹介します。

Table of Contents

徒長は多肉植物が光不足などで不自然に伸びる現象で、茎が細く葉の間隔が広がる特徴があります。主な原因は光不足、水の与えすぎ、不適切な温度管理です。徒長した場合は切り戻しや挿し木で仕立て直せますが、予防には十分な日光と適切な水やりが重要です。セダムやエケベリアは特に徒長しやすい種類なので注意が必要です。

Question

Answer

徒長とは何ですか?

多肉植物が光不足で不自然にひょろひょろ伸びる現象です。

徒長の主な原因は何ですか?

光不足と水の与えすぎが最も一般的な原因です。

徒長した多肉植物はどうすればいいですか?

切り戻しをして新しい土に植え替えることで回復できます。

徒長を防ぐにはどうすればいいですか?

十分な日光と適切な水やりが最も効果的です。

特に徒長しやすい多肉植物はありますか?

セダムとエケベリアは特に徒長しやすい種類です。

徒長とは?多肉植物が伸びすぎる理由と特徴

徒長(とちょう)は多肉植物が不自然にひょろひょろと伸びる現象で、主に光不足が原因で起こります。葉と葉の間隔が広がり、見た目が弱々しくなる状態です。

徒長の主な特徴

  • 茎が細く不自然に伸びる
  • 葉と葉の間隔(節間)が広がる
  • 葉が小さくなり色が薄くなる
  • 全体的に弱々しい印象になる

徒長の主な原因

原因

詳細

光不足

最も一般的な原因。室内や日当たりの悪い場所で育てると光を求めて伸びる

水やりのタイミングミス

光不足の状態で水を与えすぎるとさらに伸びてしまう

温度・湿度の不適切な管理

高温多湿の環境では徒長しやすくなる

肥料の与えすぎ

窒素過多の肥料が茎の伸びを促進させる

健康な状態との比較

項目

健康な多肉植物

徒長した多肉植物

茎の太さ

太くしっかりしている

細くひょろひょろしている

葉の色

色鮮やか(赤みや青みがある)

薄い緑や黄色っぽくなる

葉の配置

密集してコンパクト

間隔が広がりまばら

全体のバランス

丸みを帯びた美しい形

上に伸びすぎて不安定

徒長は特に冬場や梅雨時期など日照時間が短い時期に発生しやすいです。光を求めて手を伸ばしているような姿勢になっていたら要注意です。

徒長した多肉植物の見分け方と健康な状態との比較

徒長した多肉植物は一目でわかる特徴があります。健康な状態との違いをしっかり理解しておきましょう。

見た目でわかるチェックポイント

  • 茎が細長く伸びてひょろひょろしている
  • 葉と葉の間が広がってスカスカに見える
  • 葉の色が薄くなり緑がかった状態になる
  • 全体のバランスが崩れて不安定な印象
  • 下の方の葉が落ちやすくなる

健康な状態との比較表

確認ポイント

健康な状態

徒長した状態

茎の状態

太くしっかりしている

細く弱々しい

葉の間隔

密集してコンパクト

間隔が広がってまばら

葉の色合い

鮮やかで発色が良い

薄く色褪せた感じ

葉の大きさ

大きく肉厚

小さく貧弱

全体の形

丸みのある美しい形

上に伸びた不自然な形

具体的な見分け方のコツ

多肉植物を横から見たときに、葉が密集してロゼット状になっているか確認します。徒長している場合は茎が長く見え、葉の配置がバラバラになります。

また、光の方向に向かって傾いていたり、茎が曲がって伸びているのも徒長のサインです。健康な多肉植物はまっすぐ上に向かって成長します。

色の変化も重要です。紅葉する種類なのに緑色のままだったり、本来の色味が失われている場合は光不足が疑われます。

徒長した多肉植物の仕立て直し方法ステップバイステップ

必要な道具の準備

  • 清潔なハサミまたはカッター(アルコール消毒済み)
  • 殺菌用の木炭または硫黄粉(切り口の腐敗防止)
  • 新しい土と鉢(水はけの良い多肉植物用土)
  • 発根促進剤(任意、根の生長を助ける)

切り戻し(カットバック)の手順

  • 切る位置を決める - 徒長部分の根元から1/3〜半分程度の高さで切ります
  • 斜めにカットする - 切り口を斜めにして水が溜まらないようにします
  • 切り口を乾燥させる - 2〜3日ほど風通しの良い場所で乾燥させます(癒合作業)
  • 新しい土に植え替える - 水はけの良い多肉植物用土に植えます
  • 水やりを控える - 最初の1週間は水やりを控え、根が張るのを待ちます

切り取った上部の挿し木での増やし方

方法

手順

注意点

水耕栽培

容器に水を入れ、切り口が水につかないように置く

直射日光を避け、明るい日陰で管理

土耕栽培

湿らせた土に挿し、軽く固定する

発根するまで水やりは控えめに

発根後の処理

根が生えたら鉢に移し替える

根を傷つけないように慎重に扱う

失敗しやすいポイントと対策

  • 切り口が十分に乾燥していない → 腐敗の原因になるので必ず2〜3日乾燥させる
  • 植え替え後すぐに水を与えすぎる → 根が張るまで水やりは控える
  • 直射日光に当てすぎる → 明るい日陰で管理し、徐々に日光に慣らす

セダムやエケベリアなど徒長しやすい種類でも、切り戻し後2〜3ヶ月でコンパクトな形に戻ることが多いです。新しい環境で光をしっかり与えることが重要です。

徒長を防ぐための光・水・環境管理のコツ

光の管理方法

  • 屋外栽培:半日陰〜直射日光の当たる場所に置く(朝夕の光が理想)
  • 室内栽培:南向きの窓際が最適、光量不足ならLED植物育成ライトを使用
  • ライト選び:赤・青色の波長を含むものが光合成に効果的
  • 照射時間:1日12〜14時間が目安、季節によって調整する

水やりの適切なタイミング

季節

水やり頻度

注意点

春・秋

土が完全に乾いてから

成長期なので適度な水分が必要

控えめに(月2-3回)

高温多湿で根腐れしやすい

さらに控えめ(月1回程度)

寒さで成長が止まるため

水やりは朝に行うのが基本です。夜間の水やりは根腐れの原因になります。多肉植物の水やり方法も参考にしてください。

温度と湿度の管理

  • 夏の高温時:風通しの良い場所に移動、直射日光を避ける
  • 冬の低温時:5℃以下になったら室内に取り込む
  • 湿度対策:扇風機や除湿機で空気の流れを確保する
  • 梅雨時期:雨の当たらない場所に移動させる

肥料の与え方

時期

肥料の種類

与え方

春・秋

リン酸・カリウム多めの肥料

成長期にのみ与える

夏・冬

肥料は与えない

休眠期なので不要

窒素過多の肥料は徒長を促進させるので避けましょう。多肉植物の育て方基本ガイドで詳細を確認できます。

季節ごとの管理ポイント

  • :成長期なので光をたっぷり与える
  • :直射日光と過湿に注意、半日陰で管理
  • :紅葉シーズン、昼夜の温度差で色づきやすい
  • :光不足に注意、ライトを使用する場合は必須

徒長しやすい多肉植物の種類と対策方法

徒長しやすい多肉植物ランキング

種類

徒長しやすさ

主な特徴

対策方法

セダム

★★★★★

成長が早く室内では特に徒長しやすい

LEDライト必須、水やり控えめ

エケベリア

★★★★☆

ロゼット状の美しさを保つのが難しい

直射日光に当てる、

エケベリアの育て方

参照

グラプトペタルム

★★★★☆

光不足ですぐに間延びする

屋外栽培が理想、室内なら南向き窓際

ハオルチア

★★★☆☆

半日陰を好むが光不足には弱い

明るい日陰で管理、直射日光避ける

クラッスラ

★★☆☆☆

比較的徒長しにくいが油断は禁物

水やり控えめ、適度な日光浴

アロエ

★★☆☆☆

乾燥に強く徒長しにくい

乾燥気味に育てる、

アロエの育て方

参照

種類別の具体的な対策

  • セダム類:室内栽培では植物育成ライトが必須。12時間以上照射する
  • エケベリア類:春と秋は屋外で日光浴させ、夏は半日陰に移動
  • グラプトペタルム:水やりは土が完全に乾いてから。葉の張りで判断
  • ハオルチア:レースカーテン越しの光が最適。直射日光は葉焼けの原因

初心者におすすめの徒長しにくい種類

種類

特徴

管理の楽さ

アロエ・ベラ

乾燥に強く医療用途も

★★★★★

ガステリア

日陰に強く室内向き

★★★★☆

リトープス

砂漠の植物で徒長しにくい

★★★☆☆

サンセベリア

光不足に強く空気清浄効果

★★★★★

季節ごとの注意点

  • 冬場:すべての種類で光不足に注意。ライトの使用を推奨
  • 梅雨時期:湿度が高くなるので水やりを控え、風通しを良くする
  • 夏場:エケベリアやセダムは直射日光で葉焼けするので注意
  • 春・秋:成長期なので日光をたっぷり与える

特にセダムやエケベリアは徒長しやすいので、定期的な観察と環境調整が必要です。光量計を使って数値で管理するのも効果的です。